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印刷会社入稿用 PDF の作り方(CMYK・塗り足し・トンボ)

商業印刷向けに KiRiNUKi.ONLINE で PDF/X 風構成の入稿 PDF を作る手順。CMYK・塗り足し・トンボの意味と推奨設定を解説します。

印刷会社に渡す PDF で求められる 3 要素

家庭用プリンタで刷る場合と違い、印刷会社 (オフセット印刷) に入稿する PDF にはいくつかのルールがあります。

1 つ目は「カラー空間が CMYK であること」。Web や PC モニタは RGB ですが、印刷インクは C (シアン) M (マゼンタ) Y (イエロー) K (ブラック) の 4 色で色を再現します。RGB のまま入稿しても多くの印刷会社は RIP (Raster Image Processor) で自動変換してくれますが、CMYK で入稿する方が色ズレが少なくなります。

2 つ目は「塗り足し (ぬりたし、bleed)」。印刷物は仕上がりサイズより大きめの紙に印刷してから断裁するため、仕上がり線ぴったりに色を置くと、断裁誤差で白い余白が出てしまうことがあります。そのため仕上がりから外側に 3mm〜5mm の「塗り足し」エリアを付けるのが慣例です。

3 つ目は「トンボ (トリムマーク)」。断裁位置を示す細い線で、コーナートンボ (二重線で塗り足し幅を示す) とセンタートンボ (用紙中央の目印) の 2 種類があります。

KiRiNUKi.ONLINE での設定手順

手順は驚くほど簡単です。

STEP 1: URL 入力 → キャプチャ → 必要な部分を切り抜きブロックとして選択 → 出力プレビューで配置を整える、までは通常の操作と同じです。

STEP 2: 用紙サイズで印刷会社の仕上がりサイズに合うものを選びます。例えば A4 フライヤーなら A4、ポスターなら A2 や A1、B2、名刺なら「名刺」など。2026 年 4 月のアップデートで A0〜A6 / B0〜B6 / 日本独自サイズの 18 種類に対応しました。

STEP 3: 「形式」で PDF を選択します。PDF を選ぶと下部に「カラー」「塗り足し」「トンボ」の設定欄が表示されます。

STEP 4: 商業印刷なら以下を選択してください。 ・カラー: CMYK (商業印刷) ・塗り足し: 3mm (一般的な印刷会社の基準) ・トンボ: ON

STEP 5: 「PDF で保存」ボタンを押すとダウンロードが始まります。出力された PDF には TrimBox (仕上がりサイズ)・BleedBox (塗り足しを含む範囲)・MediaBox (トンボまで含む用紙全体) が PDF/X 準拠で設定されており、そのまま入稿できる構成になっています。

塗り足し幅と印刷会社の推奨値

塗り足し幅は印刷会社によって推奨値が異なります。KiRiNUKi.ONLINE では なし / 3mm / 5mm / 10mm から選べます。

3mm: 最も一般的。チラシ、名刺、ポスター、パンフレットなど多くの印刷物で標準的に使われます。国内の主要印刷会社 (プリントパック、グラフィック、ラクスル、キンコーズ等) がこの設定を推奨しています。

5mm: 大判ポスターや特殊加工 (箔押し・型抜き) を伴う印刷で推奨される場合があります。印刷会社の入稿ガイドに 5mm 指定がある場合に使います。

10mm: パッケージや段ボール印刷、布プリントなど、断裁誤差が大きくなる加工向け。

なし: オンデマンド印刷機や家庭用プリンタでは塗り足し不要。トンボも OFF でかまいません。

どれを選べばよいか迷ったら、まず 3mm で PDF を作成し、利用する印刷会社の入稿ガイドに合わせて調整してください。

トンボ ON で描画される要素

KiRiNUKi.ONLINE でトンボを ON にすると、以下が自動で描画されます。

・コーナートンボ × 4 箇所: 仕上がりサイズの 4 隅に付く L 字型のマーク。二重線の内側が仕上がり線、外側が塗り足し線を示します。線の長さは 5mm、太さは 0.3pt です。

・センタートンボ × 4 箇所: 仕上がりサイズの各辺中央に付く十字型のマーク。用紙の中央を確認するために使います。

・カラースウォッチ (K100 四角): 印刷会社が濃度計で測るための小さな K=100% 黒の四角。トンボ領域の右上に 4mm 角で配置されます。

・情報ラベル: 用紙サイズ・カラー空間・塗り足し幅を小さく記載。TrimBox 外・BleedBox 内の左下に表示されます。

CMYK モードを選んでいると、これらの描画要素は K=100% の CMYK カラーで作成されるため、印刷時にぼやけることなくシャープに再現されます。

RGB と CMYK の使い分け

Web・オンデマンド・家庭用プリンタは RGB 色空間で問題ありません。特にネットプリント系サービスや、自宅の Canon・EPSON プリンタは RGB PDF を受け付けます。

一方、オフセット印刷を扱う印刷会社は CMYK 前提で製造ラインが組まれているため、CMYK 指定で入稿する方が安全です。ただし画像自体のピクセル値を CMYK に厳密変換するには Ghostscript などの専用ツールが必要で、KiRiNUKi.ONLINE では PDF のカラー意図メタ情報のみを CMYK に設定しています。

これは多くの印刷会社で問題なく受付されます。なぜなら印刷会社の RIP が受取時に自動変換するためです。ただし「特定の色 (ブランドカラー等) を厳密に一致させたい」場合は、デザイナーに Photoshop / Illustrator での色校正を依頼するか、KiRiNUKi.ONLINE で生成した PDF を Adobe Acrobat Pro で CMYK プロファイル変換してから入稿してください。

DPI と用紙サイズの選び方

印刷会社に入稿する場合、DPI は 300 または 350 を推奨します。KiRiNUKi.ONLINE の DPI 設定で 300 または 350 を選んでください。

大判ポスター (B2 以上) では 150〜200 dpi でも十分な場合があります。視聴距離が離れるためピクセル粒が目立たないからです。印刷会社の入稿ガイドを確認しましょう。

用紙サイズは仕上がりサイズ (mm) を基準に選びます。塗り足しは自動で外側に追加されるので、仕上がりサイズそのままを選べば OK です。例えば「A4 チラシを 3mm 塗り足しで」なら A4 を選んで塗り足し 3mm を指定するだけです。

確認方法と入稿前チェック

出力された PDF は Adobe Acrobat Reader や Preview (macOS) で開いて内容を確認できます。

特にチェックしたいのは: ・トンボが正しい位置にあるか (コーナー・センター 8 箇所) ・塗り足し領域に画像が延びているか (白い余白が内側に入っていないか) ・色味に違和感がないか (モニタ表示なので印刷色とは完全一致しないが、大きな色ズレがないか) ・フォントが正しく埋め込まれているか (Acrobat の「ファイル > プロパティ > フォント」で確認)

KiRiNUKi.ONLINE が生成する PDF は、キャプチャ画像を埋め込む構成なのでフォント埋め込み自体は不要 (ラスタライズ済み) です。そのためフォントのライセンス問題も発生しません。

印刷会社への入稿時は、その会社の指定方法 (Web 入稿フォーム・FTP・メール添付など) に従ってアップロードしてください。

KiRiNUKi.ONLINE で試してみる

この記事で紹介したテクニックを、さっそくツールで実践してみましょう。

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